ふれあい

 「奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録」を読んだ。そういえば、訳の分からん変な生き物がうごめいていた土、それを穿り返していた頃から随分と時間がたっていた。今では手が汚れるからあまり触りたがらないという都会の普通人になっている。
 思い返してみれば、指は土を受け入れていた。土に触れても大丈夫なように指はできていた。土や虫とのふれあいが引き出す、都会の日常とはまた一味違った指の作用。