大鏡

 駅やデパートに据え付けられた大鏡の前にひとり立つと、この人はどうやって生きそして死ぬのだろうと考える。洞察を重ねるにつれて、今ある自分の命に儚さや脆さが入り混じる。偶然と必然の海に漂う小船はいつ大波にさらわれるとも限らない。いつどうなろうとも、それを受け入れる胆を鍛錬する。