私は小児喘息に罹ったことがあり、それ以来体調が崩れると気管支喘息の症状が表れることがある。今朝も起きた時に息苦しさと喘息特有の呼吸音がして、喘息の症状が出ていることに気がついた。普段なら「苦しい苦しい、早く楽になれ」と心中で唱え願って寝ているのだけれども、今回は視点を変えて喘息の症状を見つめてみた。

 なぜ喘息の症状が表れるのだろう?それは、原因となる埃やタバコの煙などの物質が呼吸を通じて肺の中に取り込まれることによって起きるんだろう。だけれどもどうしてそのロジックで喘息が必ず起きるんだろうか。

 今この瞬間もこの世界では、水が氷になったり、雲が雨になったり、岩が山頂から転がり落ちたりしている。それは単なる物理現象だけれども、物理的な法則にのっとって起こるべくして起こっている。同じように喘息も物理的な法則に従って引き起こされる、起こるべくして起こる現象のひとつに過ぎないのではないか。

 私は、「私」を出発点に世界を捉えるのが一般的な人間だと思うし、私もそのタイプだと思う。まず「私」があって、それに対する存在として世界がある。「私」という内部と、世界という外部に大別して生きている。

 だけれども、「私」の体内の出来事が世界という外部の出来事と同じ物理的な一現象にすぎないと認識できれば、私と世界との間に明確に存在すると思い込んでいる境界線を、少し薄くできるんじゃないかと思った。