あるがままに現実を受け入れること

デール・カーネギーの著書「道は開ける」には、不可避または不可抗力の困難に対して、樫のように抵抗するのではなく柳のように身を曲げる方法を学べとある。苦境に立たされた場合、できることをできるだけ実行し最善を尽くせば、あとはその結果をそのまま受け入れるだけでストレスを最小限に抑えられるという。そこでとりあえずうつむいて歩くことにした。これならストレス軽減でハッピー。

このような現実をそのまま受け入れるという発想は、自分の都合を出発点として世の中を見ていたら実現できない。自分とは他のものと無関係に独立して存在するものではなく、周囲との関係の積み重ねの帰結であり周囲と自己は一体としてみる必要がある。自分の心や身体が現在どうあるかというのは、自分の心や身体以外のものとの干渉で成形されていくという意味で他律的である。