ありのまま

 未だ道中であるが、ありのままについて。
先に述べたような志向性を踏まえると、ありのままを換言して
志向性を一切排した状態、或いは全方位に向けて志向性を
向ける状態と言えるかもしれない。


 心を捕らえるような出来事や物事は日常大小さまざま起こる。
それに関して意識を向け続けていると、精神的な引きこもりのような
状態になってくる。対象とそれ以外に垣根が出来、垣根の向こう側は
外部として排除され意識の外へ追いやられていく。おそらく科学者や
哲学者であれば、そのような状態をさらに促進し純化し思索に専念することで
新たな発見や深化へと繋げるのだろうが、その状態であり続けると
精神的に不衛生となってしまう。


 川の流れの一部分を切り取って持ってきたようなもので、志向性の対象を
いくら眺め弄繰り回そうとも矛盾が起こり疑問は残る。
垣根を越えなければいけない。外部へ外部へ。


 ありのままに観れば、独立して単独である「もの」なんてないんじゃないかと思う。


 未だ道半ば。目の曇りで誤謬が含まれている可能性はあるけども。