流れ

 時の流れに沿って考えるなら、生きるとはひたすら足し合わせていくことである。ブロック状のものを積分のようにつなぎ合わせていくのではなく、煮立った鍋に次々と調味料や具材を投入していくようなイメージ。一度入れてしまうと後戻りは出来ない。しかも部分ではなく全体として別物になっていく。
 さらに時は待ってくれない。料理もそうであるように、人生も不可避的に投入を迫られる。今という瞬間でセーブが出来ない。永遠の今と向き合うことは、無限運動への覚悟といえる。サーファーのように時に乗る。
 個人的な体験を振り返ってみると、楽器の演奏はその「時乗り」に近い。更新更新を重ねていく。
 前に進み続けることでしか、というより前に進むことしか出来ない受動的世界。そこではコントロール或いは制御が大事になってくる。