フラットな

 話題になったマッシュアップ二作品。時系列としては二番目の作品が先だが、一番目の作品から入った私にはそのインパクトが焼き付いている。


本来なら画面上をスクロールするコメントをオフにした動画のほうが印象深い。
吉幾三×Capsule×DaftPunk×BeastieBoys StarrySky - IKZOLOGIC Remix


中田ヤスタカ本人も認めている元祖の作品。
Capsule x Daft Punk x Beastie Boys - Starry Sky YEAH! Remix


 吉幾三を見直したというよりも、誤解していたという表現が正しいのだろう。吉幾三はどの程度のものかとわかっているような気でいた。


 それはおよそ他の誰にも、そしてあらゆる物事にあてはまる。「それ」が何であるかは、どこでどういう場でどういうものと、どう振舞うかどう働くかどう効果するのかである。マッシュアップという行為は、わかったような気でいた「それ」自身に関して理解を深めていく行為でもある。相関の組み合わせは方法も対象も無限大なのだから、およそ「それ」に関して全てを知ることは出来ない。


 冒頭の二作品のベースとなっているStarry Skyを作った中田ヤスタカの音楽には、そのマッシュアップ的な成分が含まれている。歌と曲の主従関係を自明とせず、ボーカルを加工して他の音との心地良い組み合わせを探しているような感じ。歌詞カードを見ながら聴くようなものでもない<ボーカル=歌>という固定観念のない、そのスタイルが今後も続きマッシュアップ"的"な音楽を聞かせてほしい。