不甲斐なさ

 大部分、ほとんど全てといってもいいかもしれない。感情、意思、身体、環境、境遇などあらゆるものが受動的だ。渡されたものにどう対処するか、その判断の意識すら受動的に渡されている。
 自律や所有という認識はおこがましいものなのだ。与えられたものを与えられたもので相互作用していく。
 与えられたものが取り替えられないと嘆く時、不自由と感ずる。与えられたものを受け入れ足がかりとするのならば、その旅路は自由となりうる。
 不甲斐なさや矮小さを受け入れる。
 どんなことでもどんな人でもどんな出来事でも、起こったことはすべてよいことであると心から言える日まで。