接点

 お昼はやや風が強くなっていた。近くにある建設中のビルでは、クレーンが揺らぎのない動きをしており、風の影響は微塵も無いように見えた。
 自分がいる建物も、視界に広がるどの建物も、ああやって誰かが積み上げ今に至るのだな。面識のない人々との接点となるよすがを眺める。