ネバネバ ネバネバ

この世界を関係の連鎖として捉える世界観がある。
映画「攻殻機動隊」では人形遣いが語ったものであり、
仏教では因陀羅網の比喩として語られるものである。


脳の構造やインターネットの構造もネットワークの集合であるとするならば
その世界観により想定された世界構造との相似を見つけることができる。



蜘蛛の巣的な世界観。
そのような表現があれば、上に述べた世界観を
蜘蛛の巣の形状を借りて示唆しているように思う。


しかし
平野啓一郎風に言えば、表現の奥に奥に進む。
それが出来れば別の含意に突き当たる。


蜘蛛の巣の特徴はその幾何学的な形状だけでなく
一度くっついたら離れない粘着質にもある。


ある糸をたとえ振り払ったとしても
また別の糸に絡め捕られる。


まるで蜘蛛の巣に落ちた羽虫のごとく。


もがいてももがいても糸からは逃れられない。
また逆に、どこにいこうがなにをしようが
糸から外れることもない。


安易な喩えだが、死という蜘蛛が
我が身を喰らいに来るまで糸とじゃれあうほかにない。