私が気づいていなくとも、壁の向こうにも景色はある

 昨日のNHK「とっておき世界遺産」は火山がテーマ。キラウェア火山、イエローストン国立公園、カムチャッカ火山群の紹介をしていた。江守徹のナレーションと久石譲のテーマ曲がマッチした「シリーズ世界遺産100」が好きな私としては、その流れを汲むこの番組も見ていて心地が良かった。
 空撮によるカムチャッカ火山群の雄大な姿。それに畏敬の念を感じつつ、日常の身近な私も溶け合っていく。カムチャッカ火山群も、渋谷の雑踏も、九十九里に打ち寄せる波もサーファー達も、私の日常生活も皆同じ世界にある不思議さ。そういったものを並存させバランスさせてしまう世界の運行の不思議。全てが全てを前提とし含有する。


 未知のもの、遠くにあるもの、異質なものに触れると、既知のものや身近なものの輝きが増す。世界について知れば知る程、私について知ることになる。多様な風景を目にしてきた人や教養が豊かな人は、本来の豊かな私を発見していく。従来の外側を志向し、教養をつむことにしよう。結局は何処まで行っても内部なのだから。