整理

 手配していた「今、ここからすべての場所へ」が昨日やっと手に入る。これから読み始める。「正法眼蔵を読む 存在するとはどういうことか」という本にも感じたのだけれど、あまり世間的な注目は低いのかな。amazonのレビューも賛否どちらにせよなかなか出てこない。前者はまだ中身を読んでいないので断言は出来ないが、後者は刺激的な本なのに人気は無いようである。
 人生とか世界とか宇宙とか全てのカテゴリーをひっくるめて挑むような話は誰しも興味があるような気がしていたが、思い返してみれば誰もが切実に抱える問いではなかったかもしれない。趣味の話、異性の話、現代社会の話、そういった話題は熱を帯びるが、根本的な疑問というかそういう問題は考えても仕方ないといなされてしまう。
 宇宙顕微鏡で観測するような、肉眼で確認できないような遠い銀河で超新星爆発が起きても関係ない。目に見えない耳に聞こえないものがいまもどこかで息づいていようが何の不思議だとも思わない。欲望さえどうにかして満たせればそれでいい。私もそうであった。だが満たしても満たしても枯渇する底抜けグラスのような生き方に疑問がわく。与えられたスペックの範囲内であるとしても、自分だけで考え自分だけで世界に立ち向かう覚悟はないのか。
 考え方は様々あれど、私はそういった整理を経てきた人を探したいと思う。組織の中で予定調和で馴れ合うのは世界を忘れさせ母胎にいるような感覚を与えてくれるわけで、心地が良いのはわかる。だがいつかは自らの足で大地を踏みしめなくてはならない。軽やかに草原を駆け抜ける逞しさを養う。