2009-01-01から1年間の記事一覧

囲い

毎日のように東京タワーのお膝元を歩く。行き交う人や車が視界に入り、強弱入り乱れた印象や感情が沸き起こる。やはり私はありのままに見てはいない。何らかの予断や偏見が当然のように混入している。 そこで、外界と内心とを分離せずに捉えてみる。パブリッ…

葡萄

己の陳腐さとか滑稽さとか矮小さを感ずる。思い込みに囚われ、バイアスの霧中に漂い、翻弄される。 そういう時は自己嫌悪に陥るのが常であったが、物事を動的に捉えるようになって徐々に変わってきている。「まったく困ったもんだ、じゃあここからどうする」…

季節

あっちへふらふらこっちへふらふらしながら、季節がだんだんと移り変わっていく。緩やかなカーブで気候も変遷してほしいものだが、なかなかそうはいかない。体調管理にセンシティブにさせられ、逆説的に季節を実感する。

協奏

誰かとコミュニケーションするとき、相手をいろいろな角度から突いて、多様な音色を引き出せる人には、教養というか智恵のようなものを感じる。相手が意識的に提示するものだけでなく、意図せず漂わせたり秘めている音色にまで洞察の眼差しを向け、至る所で…

沈殿

懐かしい場所、懐かしい友人、懐かしい記憶は、時の流れと合わさって、静止した観念を打ち壊してくれる。 そのままでいるものなど何もない。静止した価値観からすればそれは残酷で、時という流れに寄り添えばそれは見つめる値打ちのある美である。 流れの只…

坂道

瞼が重く、寝床にすいこまれる。テレビでは、覚えのある坂を木村拓哉が全力で走っている。普段全力出していないのがよくわかる、と語っていた。 やっぱり運動している姿は良い。

東京タワー

やっと春らしい陽気が戻ってきた。朝の東京タワーは気持ち良さそうに青空に伸びていた。街並みは完成し不動のように見えるけれど、時間はその錯覚を暴いていくのだろう。 静止しない世界。

北風

希望とか願望はあまり叶えられない。それを単に嘆きがちであるが、そういった希望とか願望が沸いてくる不思議な有り様を見つめたり、別のアングルから解決に導けないかイメージしたりする。 朝の北風が特に強い日だった。揺られさまよう木の葉のように、日々…

生もの

昨夜、身体が若干熱を帯びて体調の変化を知らせていた。頭の中では、もう3月の終わりでさすがにあまり冷え込むこともなかろうと考え、ちょっとした怠惰が首をもたげた。だけれど、肌の感覚を信用し、暑さで寝苦しかろうとも体調を崩すよりはマシだとばかり…

不甲斐なさ

大部分、ほとんど全てといってもいいかもしれない。感情、意思、身体、環境、境遇などあらゆるものが受動的だ。渡されたものにどう対処するか、その判断の意識すら受動的に渡されている。 自律や所有という認識はおこがましいものなのだ。与えられたものを与…

詳細

ISDNやADSLが普及する以前に、ラストワンマイルについて新聞記事で読んだことがあった。今ではそれも徐々に解消されネットワークの網が世界中に行渡るかの勢いだ。 しかし今度はネットワークに接続された地球の裏側よりも、接続されていない数メートル、数十…

流れ

いや、やはり言葉はそぐわないのだ。語る言葉が見つからない。 流れにたゆたう。

メッセージ

時折、踏み込んで話をしてくれる人が好きだ。傷を負う危険を覚悟して懐に飛び込み、何かを伝えようとする。メッセージの内容にはもちろんのこと、その行為自体にかけがえのない温かさを感じる。 有名で素晴らしいものもたくさんある。一方で流通に乗らず名前…

源泉

私という苦しみは喜びに転化しうるのではないか。茂木健一郎 クオリア日記: スプマンテの泡に溶けてという優しい気配のエントリーに触れた感触を寝床で探っているうちに飛び起きてこれを書いている。 この世をどうみるかというときに、私を離れてみることは…

睡魔

午前二時に少し前。何を書こうかと思い巡らすが、まぶたが重い。こんな些細な日常のひとコマは、このように書き留めておかなければ、私自身も忘れ、誰もアクセスできない領域へと埋もれていく。 人知れず、どこかで何かが起こっている。

地球

先日ビートたけしがNASAを扱った番組をやっていた。昔は理論物理学者を志していたそうだ。 宇宙から見た地球はとても素敵な青だった。私の生もみなの生もその中で起こり消えていく。

解決

解決不可能な可能性もある。それを無理にしようとすると破滅を招く。受け入れがたい解決不可能な事柄を認めた上で、どうマネジメントしていくか見極める。 この世界で起こったことは全て良いことであると言った人がいた。そんな視点はどう生まれるか。壁にぶ…

責任

好きにしよう。やりたくないこと、無理にするのはできるだけやめよう。矛盾や葛藤に際し、そう思う。俺の人生に責任を負えるのは俺だけだ。

熱狂

WBCにアメリカ人はあまり興味がないようである。対照的に日本国内ではものすごい視聴率で、かなりフィーバーしている。私としては国際試合は祭典として盛り上がればいいので、ギスギスとした場になってほしくはない。もちろん日本の勝利はうれしいが、敗…

優勝

WBCで日本が優勝した。ネットが普及し趣味が多様化した昨今、同じものを同時に多くの人が見る体験はなかなか貴重だ。展開もドラマチックであった。 サッカーのW杯もそうだけれども、尻上がりに調子を上げてきたチームが優勝する印象がある。決勝にコンデ…

審判

WBCを見る。ストライクのコールが響いたとき、審判と打者が生まれる。回転を描いてボールが投じられバットがそれに向かうとき、ピッチャーとバッターが生まれる。 言葉にしたいことが一番、言葉にならない。

綿飴

あれこれ頭の中で仕上げても実際に目で見える形にすると、うーんイマイチなんて事が良くある。いくつかのキーワードが頭から出てくれば、あとは手の作用なのかもしれない。引き出した言葉のあっちやこっちをこね回してみる。 ひらがなカタカナ漢字の見た目が…

表現

やはり立居振舞からして違うのかも知れぬ。日常の姿勢や発声ひとつをとっても表現であって、文章にはその集積が表れてくるのだろうな。 かけがえのない生からにじみ出る言葉。精製の純度を高める。

調理

鎮痛剤の背後にある化学的な作用の詳細はわからない。ただその作用の具合は身をもって感じられる。そこで、文章のもたらす感触について類推する。 読んでいて心地の良い文章を書く人がいる。どんな秘訣があるのだろう。私にも誰にも優しい感触を届けるには。…

投稿

掲示板であれブログであれ、一度投稿された文章は投稿者のあずかり知らぬところで影響力を放ち続ける。それがいかなる波紋を広げていくのか、推し量ることができるかどうか。 後ろ向きでネガティブな投稿をする人は苦しいのだろう。心をかきむしる様な衝動に…

大樹

相手の抱える荷物の重さを推し量り、察してあげられるかどうか。それが出来る人の精神の土壌は豊かで生命を育んでいるように見える。余裕が無いときでも受容の態度を忘れない大樹のような人。逞しく優しく周囲に肯定的な影響を放っていく。 日々、少しずつで…

斥候

まだまだ足りない。言葉が足りていない。経験も足りていない。全方位を捉えようとしても、どうしても死角はうまれる。錯覚にも囚われているかもしれない。言葉の斥候を繰り出して、表現の前線を進めなくてはいけない。未熟さを更新しなくてはいけないという…

脱出

ここのところいや違うなと感じていた。物や人、心中に沸く感情や衝動を予断なしに眺めるだけというのは違う。あらゆるものから距離をとって主体を消し、客体だけを残して眺めると灰色になる。逆に主体だけを残して外部を無視しても蛸壺に閉じ込められるよう…

スタジアム

WBC。アメリカの球場は見栄えがいい。それに家族連れで楽しめるように趣向を凝らしてあるそうである。 ただ観戦するならやはり実際に生で見たいものだ。切り取られた画面からは感じ得ない、その場が生成する思い。

誕生

「今、ここからすべての場所へ」を読む。前半部は著者と読み手の私との回転数が合わず、読んでいて苦しかったのだけれど、"なぜ、それをここでは感じられないか"あたりからギアがガチッと噛み合い読んでいてとても心地が良かった。 私がいま信じていること(…